アロマテラピーの定義「ホリスティックの意味からアロマテラピーとアロマセラピーの違いまで」

 

アロマテラピーの定義

アロマテラピーとは植物の香りを使ったリラクゼーションやセラピーのイメージが強いと思います。そもそもこのアロマテラピーの定義というものはどのようなものなのでしょうか。

日本アロマ環境協会の定義によれば、アロマテラピーは以下のようになっています。

精油を用いてホリスティックな観点から行う自然療法のこと

ホリスティックとは

さて、ホリスティックとはなんでしょう。英語のholisticは直訳すれば「全体論の」「全体の(局部ではない」となります。

ホリスティックとはホーリズム(holism・全体論)という概念から来ている言葉です。その概念はアリストテレスのこの言葉によって表されます。

全体とは、その部分の総和以上の何かのものである。

ホーリズムとは、全体を部分や要素に還元することは出来ないとします。物事の部分や要素をバラバラにして理解したとしても、それが本当に全体を理解したということにはつながらない。

これに対立する概念が「還元主義」と言われます。還元主義の歴史は古く、万物の根源は水だ土だ火だ、アトムだ原子だと分析が進み、それが物理や化学や医学で人類の進化に貢献してきたことは間違いがありません。

しかしながら、神や自然との一体感を含んでいた過去から近代への大きな一歩を踏み出したのは哲学者デカルトの登場によると言われています。

デカルトは、世界は機械のようであり、その部品を一部一部個別に研究していくと、機械が解るように世界も理解出来るであろうとしました。注意すべき点はデカルトは要素を還元して分析した上で最終的には全体を理解し統合することを目指したのですが、この要素の還元がその後の極端な還元主義の流れを生み出して行きます。

行き着くところまで要素の還元が行き着いてきたところで、必ずしもそれが全体としての改善や幸福に繋がって行かないことから還元主義への反省がみられ、全体を見るというホーリズムの考えが再び重視されるようになって来ました。

アロマセラピーが関わるのは、セラピーとしての心理学的な側面と、医学的な側面になりますが、日本ホリスティック医学協会によればホリスティックは以下のように定義されています。

 

・ホリスティック(全的)な健康観に立脚する
人間を「体・心・気・霊性」等の有機的統合体ととらえ、社会・自然・宇宙との調和にもとづく包括的、全体的な健康観に立脚する。

・自然治癒力を癒しの原点におく
生命が本来、自らのものとしてもっている「自然治癒力」を癒しの原点におき、この自然治癒力を高め、増強することを治療の基本とする。

・患者が自ら癒し、治療者は援助する
病気を癒す中心は患者であり、治療者はあくまでも援助者である。治療よりも 養生、他者療法よりも自己療法が基本であり、ライフスタイルを改善して患者自身が「自ら癒す」姿勢が治療の基本となる。

・様々な治療法を選択・統合し、最も適切な治療を行う
西洋医学の利点を生かしながら中国医学やインド医学など各国の伝統医学、心理療法、自然療法、栄養療法、手技療法、運動療法、などの各種代替療法を総合的、体系的に選択・統合し、最も適切な治療を行う。

・病の深い意味に気づき自己実現をめざす
病気や障害、老い、死といったものを単に否定的にとらえるのでなく、むしろその深い意味に気づき、生と死のプロセスの中で、より深い充足感のある自己実現をたえずめざしていく。

 

さて、このようにとても重要なホリスティックな考え方ですが、私が個人的にセラピーをしていて重要だと感じるのは4番目の「様々な治療法を選択・統合し、最も適切な治療を行う」というところです。

実際にアロマテラピーの現場に立っている方とお話すると、いわゆる要素還元的な西洋医学に極端に反発し、アロマテラピーのフィトセラピー(植物療法)や伝統療法的な側面に加重を置き過ぎる嫌いがあると感じます。極端なスピリチュアル的なアプローチもそうでしょう。

それらをセラピストが選択し安全にクライエントに施術するならば、それは自由で問題がないとも言えますが、本来のホリスティックな立場というものは決して要素や部分を否定する訳ではないということを忘れてはいけないと思います。

あくまで患者さんやクライエントの健康や幸福度が増すことが一番です。そのためにベストの手法を選択し、時には自分以外の専門家に受け渡すこともアロマテラピストとして重要な認識となるでしょう。

 

自然療法とは

さて、上記のアロマ環境協会の定義、「精油を用いてホリスティックな観点から行う自然療法のこと」に戻ります。この自然療法とはなんなのでしょうか。

自然療法とは、「人間が本来持っている健康になろうとする力」を高める療法です。人間の持っている自然の治癒力を高めるのが自然療法であり、それを行うのが自然療法家です。

自然療法には食事やマッサージ・整体など多岐なものがあります。自然の治癒力を高めるものはすべて自然療法とも言えますが、その自然療法の中でも「精油を使ったもの」がアロマテラピーになります。

アロマテラピーか、アロマセラピーか?

以上がアロマテラピーの定義です。余談ですが、アロマテラピーなのかアロマセラピーなのかどちらの呼び方がいいのでしょうか。英語でのaromatherapyはフランス語の「aromatherapie」から来た言葉です。発音を聞いてみるとわかるのですが、英語のセラピーに対し、フランス語は「テハピ」といったような音になり、これがアロマテラピーの表記に繋がっているのでしょう。割とそのあたりをこだわる方はアロマテラピーと呼び、現代的に英語を重視する方はアロマセラピーとするようです。幸いわが国の法律ではどちらの呼び方にせよと決まってはおりません。つまりどちらでも良いということです。
私個人的には、仏流に行くならば本当はアロマテハピなのかな?という突っ込みを自分で入れながら、アロマテラピーという表記を好んで使っています。